Think with Google　2020年東南アジアeコマース　しなやかな回復力とデジタルシフト

しなやかな回復力とデジタルシフト

  ポスト・コロナも中国消費が、世界経済に果たす役割は大きいと見込まれますが、一つのバスケットにすべての卵を入れてはいけないとよく言われます。Googleが東南アジアのeコマースについて最新レポートを公表しています。こちらも128ページもの力作かつ無料です。東南アジアのeコマースの現在のトレンドと将来への豊富なインサイトが確認できます。東南アジアのインターネット情勢は依然として不安定かつ流動的ですが、eコマースは今後、成長が十分に見込まれます。商機を逃さぬよう、また、リスク分散のためにも東南アジア市場のニュー・ノーマルにも目を配っていくことが重要です。
2016年、Googleはシンガポールを本拠地とする投資会社、Temasekとともに、東南アジアデジタル経済の調査を開始しました。2019年には米コンサルティング会社、Bain＆Companyを調査パートナーとして迎えています。今年は、eコマース、オンラインメディアなど、複数の業界にわたる東南アジア地域デジタル経済へのパンデミックの影響を調査しました。東南アジアのデジタル環境の最新トレンドと巨大なデジタルシフトへどう対応すべきか、そのヒントをご紹介します。2020年、東南アジア地域の年間インターネットユーザーは4億に達しました。2019年と比較すると1億増加しており、これは2015年～2019年の4年間の増加分に匹敵します。(参照※1、グラフa)2020年の驚異的なインターネット普及により、今では東南アジア地域人口の70%がインターネットを使用している計算になります。また、ロックダウンなど新型コロナウィルス感染防止対策の影響で、インターネットユーザの3人に1人が、これまで使用したことのないデジタルサービスを利用し始めています。生鮮食品の買い物や、ファイナンス、教育サービスを新しく使用し始めたユーザーが40％を超えています。(参照※1、グラフa)企業としては、まだインターネットサービスに慣れていないユーザーに対して、丁寧な使用方法の説明やトレーニングなどを提供し、新規顧客を歓迎することが重要です。一度、オンラインサービスを信頼したユーザーは、永続的に消費パターンを変えていくでしょう。東南アジア全体で10人中9人が新型コロナウィルス終息後も、デジタルサービスを使い続けると回答しています。(参照※1、グラフc)2025年までに東南アジアのオンライン流通取引総額は、3千億ドルを超えると予想されています。多くの人がオンラインでの消費に慣れてくるということは、多くの企業にとって、新規顧客獲得のチャンスでもあります。欲しいものはあるけれど、どの商品を買うかはまだ決めかねているインターネットユーザーへ情報を届け、パンデミック前のレベルにまで収益を戻すためには、オンライン広告への継続投資が必要です。広告費だけではなく、社内のマーケティングチームへの教育も重要です。未来は依然として予測が難しく、不透明で状況は急激に変わる可能性があります。変化に対応するために、スタッフへ最新ツールやデジタル技術教育機会を設けましょう。パンデミックの影響で、1日のインターネット利用時間も伸びました。ロックダウン中の利用時間が一番伸びた国はインドネシアで、ロックダウン前と比較し27％も増えています。フィリピンでは、ロックダウン解除後も利用時間の減少は少なく、1日平均4.9時間インターネットを利用しています。(参照※1、グラフd)食料品の買い物からオンライン授業、リモート診療まで、80％の人が、オンラインサービスはロックダウン中の助けになったと答えています。2015年、2020年、2025年と、オンライン消費の上位は家電製品で変わりはありませんが、今年増えたレストランのデリバリーや食料・日用品のオンライン購入は、2025年も増加する見込みです。(参照※1、グラフe)パンデミックの影響で、旅行業界と運輸、外食産業は大きな痛手を被りました。eコマースとオンラインメディアはパンデミックの影響で収益を伸ばしています。(参照※1、グラフf)

※1　東南アジア – Think with Google APAC
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/en-apac/consumer-insights/consumer-journey/e-conomy-sea-2020-resilient-and-racing-ahead-what-marketers-need-to-know-about-this-years-digital-shifts/