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    2018.08.23

Google 中国でサービス提供検討

Google 中国でサービス提供検討

ただし、検閲版?!果たして実現なるか

   8月1日、イーベイ創業者ピエール・オミダイア氏運営のNPO「First Look Media」のニュースメディアで、元CIA職員エドワード・スノーデンの告発文書報道で著名な新興メディア、The Interceptが報じたスクープが世界を駆け巡りました。Googleが、中国でサービス再開を検討している、ただし人権や民主主義、宗教、平和的抗議などを検閲する検索エンジンを。というニュースです。このプロジェクトのコードネームは、「ドラゴンフライ」。Google社内のプロジェクト関係者によると、計画は昨年の春から水面下で進められていましたが、2017年12月にGoogleのCEOサンダル・ピチャイ氏と中国政府高官が面会して以降、開発が加速したとのことです。プロジェクトチームは「Maotai 茅台」、「Longfei 龙飞」という名のアンドロイド用アプリを開発し、中国政府にもすでにデモ版を公開済みで、中国当局から承認が得られれば、今後6~9ヶ月でローンチされる可能性があります。このアプリは中国政府の厳しい検閲法に従うもので、中国政府批判、言論の自由、性、ニュース、学術研究などが検閲されます。例えば、中国では、1989年の天安門事件についてのウェブサイトなど、反共産主義・反体制派とみられるウェブサイトの閲覧は禁止されています。独裁政治を描くジョージ・オーウェルの小説1984や動物農場についてWeiboでつぶやくことも禁止です。Instagram、Facebook、TwitterといったSNSや、ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルなどの米国のメディアは検閲を受けています。The Interceptが入手したGoogle機密文書によると、アプリが検閲を実行すると禁止されたウェブサイトは検索結果ページから削除され、「法的要件により一部結果が削除された可能性があります。」という免責事項が表示されます。また、特定の単語やフレーズを入力した際、「結果が表示されない」よう「機密性の高いクエリをブラックリストに載せる」ともその文書には記されています。つまり、政府が禁止している人々の情報や写真は検索結果に表示されません。ドラゴンフライプロジェクトについての情報は、Googleの社会的役割において道徳的、倫理的な懸念があるとして、このプロジェクト内の関係者が匿名でThe Interceptへ情報をリークしました。(参照※1)
   Googleはこの報道に対して沈黙しています。2010年に、中国政府の検閲を懸念して中国市場を撤退したGoogle。今回の報道はGoogle社内で大論争を巻き起こし、中国の検索エンジン百度BaiduのCEO、李彦宏(ロビン・リー)氏は「来るなら来い。必ずまた我々が勝利する」と挑発的です。(参照※2、※3)検索の自由か、巨大市場か。Googleはいったいどうするのでしょうか。

※1 Google検閲版検討スクープ Intercept
https://theintercept.com/2018/08/01/google-china-search-engine-censorship/ (英語)
※2 Google社員猛反発 Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-08-02/pichai-the-pragmatic-plows-into-china-and-google-workers-fume (英語)
※3 百度CEOコメント Reuters
https://www.reuters.com/article/us-china-google-baidu-idUSKBN1KS0TF (英語)

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