航空・旅行関連データリサーチ会社OAGが、年末企画として、2023年に注目を集めた旅行テックを紹介しています。
2023年は、ChatGPTで年が明けました。2023年1月生成AIが旅行業界にどういった影響を及ぼすのかが大きく注目を集め、盛んに議論されました。
2023年3月、サウスウェスト航空が、その旧態然としたシステムを、Amazon ウェブサービス(AWS)へ運用を移行しデジタル・トランスフォームを完成させたと発表しました。2022年に大規模なシステム停止を伴う、ITシステムの綿密な見直しを行い、データ移行を滞りなく遂行したことで、2023年は運用性能を大幅に改善し、マイレージプログラムの改修や新航空路を追加しました。
夏の旅行シーズンが始まる2023年5月は、空港の出入国審査などスクリーニングの効率化、デジタル化需要が高まり、アメリカ運輸保安局(TSA)は、最先端の生体認証システムを全米16の空港へ試験導入し、旅行者は全く人による書類確認を受けず、機械によるIDスキャンと顔認証で審査通過することが可能となりました。2023年12月現在は全米200以上の空港に導入されています。
二酸化炭素排出量削減は、航空業界の大きな課題です。2023年6月、ユナイテッド航空が、垂直離着陸電気飛行機メーカー、Eve Air Mobility と協業して、サステイナブルなエア・タクシーを、2026年までにサンフランシスコでサービス開始予定と発表しました。2023年11月は、イギリスのスタートアップ企業 ZeroAvia が、ビル・ゲイツのブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズや、バークレイ銀行のサステイナビリティ・キャピタルなどから1億1,600万ドルの追加資金調達に成功しました。ZeroAvia は、エンジンを改良し、英国規制当局の認証を満たし、2027年までに40~80席の水素電気飛行機を製造販売する計画で、総額で2億5千万ドルを超える資金を調達しました。この投資額は、ビジネスリーダーたちが、同社の技術を、世界がより環境に優しい航空旅行を追求していく上で重要な一歩を踏み出すために、未来の大きなイノベーションとなると見ていることを示しています。(参照※1)
【出典元】
※1 Travel Technology Highlights of 2023 | Future of Travel | OAG
https://www.oag.com/blog/travel-technology-highlights-of-2023