イギリスの不動産総合コンサルタント会社ナイト・フランクが、2024年下半期は、アジア太平洋地域(APAC)の越境不動産投資が大幅に回復すると予測しています。同社の最新レポート「Asia-Pacific Horizon: Look Beyond the Norm」(参照※2)によると、APAC内での越境不動産投資額は、2023年同期比33%以上増加すると見込まれています。投資額増加の主な要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを見越し、商業用不動産投資を刺激しているとの味方を示しています。
オーストラリアが、2024年下半期 APAC 内の越境不動産の最大の投資先市場になると予測されており、その投資額は、2023年同期比129%増が見込まれています。通年では、オーストラリアが、APAC越境不動産投資総額の36%のシェアを占めると予想されています。
2024年第2四半期には、オーストラリは19億USドル相当の越境不動産投資を集めました。これは2024年第1四半期と比較すると2.5倍増で、海外投資家のオーストラリア不動産への信頼が回復したことを示しています。(参照※1、グラフa)
オーストラリア不動産への投資増加の原動力は、取引全体の63%を占めるオフィス部門で、オーストラリアの商業用不動産が、海外投資家にとって依然として魅力的な投資先であることを浮き彫りにしました。特に2024年7月に、三井不動産が、シドニー中心部「(仮称)55 Pitt Street」開発事業へ、8億7,940万米ドルを投資した取引は特筆に値します。この取引は、オーストラリアの商業物件に対する日本の投資家の継続的な関心を浮き彫りにするだけでなく、APACにおける越境不動産投資先トップ・ランナーというオーストラリアの地位を強化する重要な取引でした。(参照※3)
ナイト・フランクは、2024年下半期中、日本企業が海外市場でより高利回りの資産を探す傾向は続き、引き続きオーストラリアの商業用不動産資産に強い意欲を示すことが予想される、としています。(参照※1)
【出典元】
※1 APAC cross-border property investments to surge by over 33% in H2 2024 | Real Estate Asia
※2 Knight Frank Asia-Pacific Horizon Report
※3 シドニー中心部「(仮称)55 Pitt Street」メジャーシェアでの参画決定 | 三井不動産