世界最大の資産運用会社 Goldman Sachs が、自動車市場のパラダイムシフトについて分析しています。
Goldman Sachs によると、2035年には、世界の自動車販売台数シェアの約50%を電気自動車が占める可能性があり、さらにそのわずか5年後、2040年には、より先進的な自立走行車または、半自律走行車が市場を席巻するだろうと予測しています。(参照※1、グラフa)
これは市場を根底から覆す転換です。最先端のバッテリーや半導体、ソフトウェアを搭載するため、自動車は完全に見直し、再設計されるでしょう。世界中で新興自動車メーカーが続々と誕生し、中国だけでも100以上の電気自動車メーカーが存在しています。現在は電気自動車への市場移行は徐々に進行していますが、いつ臨界点を超え、電気自動車の普及が劇的に進むかどうかは、いくかの要素が関わってきます。
まず、電気自動車はガソリンの代わりに、金属・鉱物を大量に必要とします。電気自動車のバッテリーには、リチウム、コバルト、ニッケルを必要とします。レア・アース金属がEVモーターの磁石に使用され、車内の電気回線のためにアルミニウムと銅が使われますが、素材が大量に供給されているわけではありません。
今現在、電気自動車の価格の約3分の1を占めているのは、バッテリー価格です。しかし、バッテリーは、今後3年間で、電子バッテリーの主要生産国である、中国、日本、韓国が供給過剰なバッテリーを生産し、価格を下げると予測しています。また、バッテリー化学が発達し、1回の充電で走行距離が2倍以上伸びる全固体電池が開発されるなど、革新的なバッテリーが登場することで大変革が起きる可能性もあります。バッテリーのリサイクル利用が拡大することでも電気自動車産業は恩恵を受けるでしょう。Goldman Sachs は、2040年までに、バッテリーに必要な金属の50%近くがリサイクルでまかなわれるようになると予測しています。(参照※1)
【出典元】
※1:The future of four wheels is all electric | Goldman Sachs
https://www.goldmansachs.com/intelligence/pages/the-future-of-four-wheels-is-all-electric.html