公開日:2025.12.12

Search Console Insight新機能「クエリ グループ」とは?:実践に役立つ活用ポイント

Webマーケターにとって、Google Search Console の検索クエリデータは、ユーザーの検索ニーズや自社サイトのキーワード対策を進める上で最も重要な情報源の一つです。しかし、サイトの規模によっては、クエリデータが膨大で分析に多大な時間と労力を要します。
そのため、流入数が少ないが共通の検索意図があるロングテールキーワードまでは追いきれないのが現状でした。

この課題を解決するために、Search Console Insightに「クエリ グループ」という新機能が導入されました。
【Google公式】Search Console Insights にクエリ グループを導入

本記事では、この「クエリ グループ」機能の基本知識から、初心者・中級者向けの具体的な活用術、そしてSEO効果を最大化するための外部ツール連携戦略まで、実践に役立つポイントをご紹介します。

目次

1.「クエリ グループ」の基本知識と従来の分析手法との違い
 1-1. Google Search Console「クエリ グループ」の見方
 1-2. 従来のクエリ分析(手動分類)との決定的な違い
2.「クエリ グループ」を活用した実践的なコンテンツ改善術
 2-1. サイトページと対策キーワードの「ズレ」の発見
 2-2. 検索意図(インテント)の深掘りによるタイトル・メタの最適化
 2-3. キーワードの「グルーピング」を再現し、トピッククラスター戦略に応用
3.「クエリ グループ」分析+外部ツール活用で最適なSEO施策提案につなげる
 3-1. Google Analytics 4(GA4)との連携
 3-2. 外部SEOツール(例:SEMrush、Ahrefsなど)の活用
まとめ


1.「クエリ グループ」の基本知識と従来の分析手法との違い

1-1. Google Search Console「クエリ グループ」の見方

まずGoogle Search Consoleの「分析情報」を開きます。

少しスクロールしたページの中ほどに「クエリ グループ」が新機能として備わっています。

※マスキングした箇所はクリック数を表しており、クリック数に対しての上昇・下落率が表示されている。

画像の様に、クエリ グループ機能は、特定のコンテンツ(URL)に対し、流入している類似した検索クエリを、Googleのアルゴリズムが自動的に関連付け、一つのグループとして表示します。

グループ化の基準は、単なるキーワードの類似性だけでなく、クエリが持つ検索意図の共通性が考慮されていると推測されます。
これにより、「SEO 基礎」「SEO 初心者向け」「SEO 対策 始め方」といった、表現は異なるが本質的に同じ「SEOの基礎知識を得たい」というインテントを持つクエリ群が、一つのグループにまとめられて提示されます。

各グループクエリをクリックすると、そのグループに属しているクエリ全体のクリック数や表示回数を見ることが出来、それらのクエリが属するページの中で、どのページが最も流入数が高いのかを把握することができます。

1-2. 従来のクエリ分析(手動分類)との決定的な違い

これまでのGoogle Search Console分析では、Web担当者が膨大なクエリリストをCSVなどで抽出し、手動で分類(ラベリング)するか、ピボットテーブルなどを活用して関連性を探る必要がありました。

特徴クエリ グループ機能(新機能)従来の手動分析
分析時間大幅な削減多大な労力と時間
分析精度アルゴリズムによる客観的な関連性判断担当者の経験や主観に依存
見落とし関連性の高いロングテールクエリの見落としを防ぐトラフィックの少ないニッチなクエリを見落としやすい

クエリ グループは、分析の「初期段階」を自動化した機能であり、担当者はその後に必要な戦略や改善提案に時間を使うことが可能となりました。


2.「クエリ グループ」を活用した実践的なコンテンツ改善術

クエリ グループを活用し、サイトページの最適化と効率的なSEO戦略立案につなげる具体的なアクションプランを解説します。

2-1. サイトページと対策キーワードの「ズレ」の発見

最も効果的な活用法の一つは、既存のサイトページに流入しているクエリ グループの傾向を確認し、網羅性の観点で問題ないかを判断することです。

(例)コンテンツページで、新しいトピックを含んだクエリが多い場合の対応
クエリ グループ内に、「〇〇 比較」「〇〇 デメリット」といった、既存記事で深く触れられていないが、ユーザーが求めているトピックを含んだクエリが多い場合があるとします。
これは、そのグループ全体で見たときに「コンテンツの網羅性が欠如している」ことを示します。

→このケースの場合は、速やかに記事に該当の内容を追記し、コンテンツの包括的な価値を高めるリライトを実施すべきです。

2-2. 検索意図(インテント)の深掘りによるタイトル・メタの最適化

クエリ グループ内のクエリを詳細に分析することで、そのグループがどのタイプの検索意図(例:情報を知りたい「Know」インテント、何かを行いたい「Do」インテントなど)に基づいているかを判断します。

(例)タイトル・メタディスクリプションの最適化
グループの大半が「〇〇 ツール おすすめ」「〇〇 料金 比較」といった購買意図(Buyインテント)に近いクエリで構成されている場合。

→そのコンテンツのタイトルやメタディスクリプションを、より購入や比較検討に特化した表現に修正することで、検索結果でのクリック率(CTR)を向上させることができます。

2-3. キーワードの「グルーピング」を再現し、トピッククラスター戦略に応用

クエリ グループは、Googleがどのクエリ群を関連性が高いと見なしているかを知る判断材料となり、グループ属性に応じた戦略を行うことも有効です。

(例)効率的なトピッククラスターの構築
好調なクエリ グループを一つの「トピッククラスター」の核と見なし、そのグループに属する個々のクエリを、今後の派生コンテンツ(サブトピック)のアイデアとして活用。

→これにより、効果的な内部リンク構造を持つトピッククラスターを効率的に構築できます。

SEOの上級者にとって、「クエリ グループ」は日々の分析を代替するものではなく、市場の微細な変化を早期に察知するセンサーとしての役割を果たします。
グループ内の主要クエリの変動、あるいは新しいクエリが加わったタイミングなどを定点観測することで、競合に先駆けてトレンド変化に対応することが可能となるでしょう。

▼トピッククラスター戦略について知りたい方は、こちらもご一読ください。
効果的なトピッククラスターの設計:サイト構造とSEOコンテンツ戦略


3.「クエリ グループ」分析+外部ツール活用で最適なSEO施策提案につなげる

クエリ グループはサイト分析する上で手助けとなりそうな機能ですが、当然ながらGoogle Search Consoleのデータは自社サイトへの流入のみに限定されます。分析結果を最大限に活かし、SEOの競争力を高めるためには、外部ツールと合わせた戦略が不可欠です。

3-1. Google Analytics 4(GA4)との連携

クエリ グループは「流入」を最適化しますが、流入後の「行動」を評価するにはGA4が必要です。GA4のデータと組み合わせることで具体的な施策検討を行えます。

(例)「クエリ グループ×GA4」を活用したユーザー行動の深掘り
クエリ グループで特定された好調なトピックに対し、GA4で離脱率、平均エンゲージメント時間、コンバージョン率(CVR)といった指標を確認します。

→「流入は多いが、CVRが低い」という場合、コンテンツの内容はユーザーの検索意図には合致しているものの、期待する情報が不足していることを示唆しており、コンテンツ構成の見直しが必要となります。

3-2. 外部SEOツール(例:SEMrush、Ahrefsなど)の活用

Google Search Consoleでは知ることができない、市場全体と競合の動向を取り入れた上での施策提案を行う際は、SEMrush、Ahrefsなどの、外部SEOツールを併用することが効果的です。

(例)「クエリ グループ×外部SEOツール」で流入クエリ以外の市場ニーズを掴む
クエリ グループで発見された「新しい潜在トピック」や「好調なクエリ」を、外部ツールに入力。

→これにより、GSCのデータ範囲外にある、そのトピック全体の市場検索ボリュームや、そのグループで上位表示している競合サイトの強さを分析できます。
結果に応じ、新しいコンテンツを制作するか、既存コンテンツのリライトするかの判断軸となります。


まとめ

Search Console Insightに組み込まれた「クエリ グループ」機能は、Webマーケティング担当者にとって、サイト分析を関連するキーワードも含めて、多角的な視点で調査することが可能となりました。

それにより、ユーザーの検索意図と考えられるクエリを網羅的に読み解き、コンテンツの成功・失敗の要因を効率的に突き止められるようになるでしょう。
一方、この新機能で得られた分析結果だけでは施策内容によっては不十分です。今回ご紹介した、GA4や外部ツールと併用しながら進めていくことが、今後のSEO戦略における最適解となります。

分析結果からどのように改善施策を打ち出してよいのか分からない、コンテンツ制作推進に社内リソースが割けないなど、お困りの方はぜひ一度アウンコンサルティングにご相談ください。ウェブサイト全体の改善からコンテンツ制作まで、幅広くご支援させていただきます。

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