Webサイトの「ディレクトリ構造」とは、サイト内のページやファイルを階層的に整理した仕組みのことです。例えるなら、パソコンのフォルダ分けや、図書館の本棚のようなものです。
なぜこの構造がSEO、つまり検索エンジンの最適化に重要なのでしょうか?主な理由は以下の2点です。
このように、ディレクトリ構造はサイトの「骨組み」として、検索エンジンとユーザー双方にとって非常に重要な役割を担っています。適切な構造設計は、SEOの第一歩と言えるでしょう。
上記でも述べましたが、ディレクトリ構造とは、簡単に言うとWebサイト内のファイルやページを整理するための「フォルダ分け」のようなものです。パソコンでファイルやフォルダを整理するように、Webサイトでも情報を分類し、階層構造を作ります。
この構造は、WebページのURLに反映されます。例えば、「example.com」というサイトのURLを考えてみましょう。
例:
URL | 意味 |
---|---|
https://example.com/ | ルートディレクトリ(Webサイトのトップページなど)を示します。 |
https://example.com/service/ | ルートディレクトリ直下にある「service」というディレクトリを示します。このディレクトリには、サービスに関するページが集められていると想定できます。 |
https://example.com/service/ web-design/ | 「service」ディレクトリの中にさらに作られた「web-design」というディレクトリを示します。ウェブデザインに関するページがここに含まれるでしょう。 |
https://example.com/service/ web-design/pricing.html | 「web-design」ディレクトリの中に配置された「pricing.html」というファイル(特定のウェブページ)を示します。 |
サブディレクトリとは同じサイトの中の「フォルダ」のことを指します。
例えば、次のURLを見てください:
blog
というフォルダ(サブディレクトリ)を指します。サブドメインとはメインのドメインから派生した「別のサイト」のことを指します。
例えば:
項目 | サブディレクトリ | サブドメイン |
---|---|---|
意味 | 同じサイトの中の「一部の階層」 | 独立した「別サイト扱い」 |
例 | example.com/service | service.example.com |
SEO | メインと一緒 | 別々の評価 |
管理 | 同じサーバー | 別サーバーも可能 |
ウェブサイトのディレクトリ構造は、シンプルで分かりやすい階層にすることが重要です。複雑すぎる構造は、ユーザーだけでなく検索エンジンのクローラーにも理解しづらくなります。
シンプルな構造が良い理由は主に以下の通りです。
一般的には、トップページから3~4階層程度の深さに収めるのが望ましいとされています。深すぎる階層は避け、ユーザーと検索エンジンの両方に優しい構造を心がけましょう。
検索エンジンのロボット(クローラー)は、リンクをたどってページを見つけます。
整理されたディレクトリ構造であれば、クローラーが効率よくページを見つけ、インデックス(登録)できるようになります。
同じカテゴリーやテーマのページがまとまっていると、内部リンクを張りやすくなります。
これによって、「どんな内容のページがどんな関係なのか」が検索エンジンに伝わりやすくなります。
単なるSEOだけでなく、訪問したユーザーもページを見つけやすくなります。
整理された構造は、情報を見つけやすいという意味で、満足度の向上につながります。
サイトの内容(コンテンツ)を種類ごとにまとめましょう。
例えば、料理サイトなら、「和食」「洋食」「中華」とカテゴリーを分けるだけで、読者も検索エンジンも内容がわかりやすくなります。
ディレクトリ(URLの階層)はできるだけ浅くします。
例えば、「example.com/recipes/sushi/」なら、3階層以内で整理されていてわかりやすいです。極端に深すぎると読みにくく、検索エンジンもたどり着きにくくなります。
ディレクトリ名には、ページの内容がわかる単語(キーワード)を使いましょう。
例えば、「example.com/sushi/」「example.com/cake/」など、わかりやすい単語で設定することをお勧めします。意味のない記号の使用や数字の羅列などは避けましょう。
パンくずリストとは、「トップ > カテゴリ > 現在のページ」という案内のことです。訪問者も検索エンジンも、ページの位置がわかりやすくなります。
参考サイト:パンくずリスト(BreadcrumbList)のマークアップを追加する方法 | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
同じ内容なのに、URLが複数あると検索エンジンが混乱します。「これが正式なページです」という印となる『canonicalタグ』を使うと、評価がまとまり、SEOに有利になります。
参考サイト:URL 正規化とは何か | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
ディレクトリ構造を最適化する上で重要な考え方に「コンテンツクラスタリング」があります。これは、特定のテーマに関する複数の記事やページをまとめて、関連性の高いコンテンツ同士を結びつける手法です。
例えば、「日本料理」という大きなテーマの下に、以下のような関連コンテンツを配置します。
このように関連コンテンツをグルーピングし、大きな親テーマから子コンテンツへ、あるいは子コンテンツ同士を内部リンクで結ぶことで、サイト全体の専門性や網羅性を高めることができます。
これにより、ユーザーは関連情報を見つけやすくなり、サイト内を深く回遊する可能性が高まります。また、Googleなどの検索エンジンもサイトの構造と関連性をより正確に理解し、評価向上につながりやすくなります。
コンテンツクラスタリングは、ディレクトリ構造と組み合わせて行うことで、より効果的なSEO対策となります。関連性の高いコンテンツを同じディレクトリ内や近い階層に配置し、内部リンクで適切に繋ぐことを意識しましょう。
カテゴリページは、関連する複数の記事へのリンクを集約した、いわば「目次」のような役割を果たします。このページを最適化することで、ユーザーと検索エンジンの両方にとって利便性が向上し、SEO効果を高めることができます。
最適化のポイント
最適化要素 | 目的 |
---|---|
タイトル/ディスクリプション | ページ内容の明確化、CTR向上 |
導入文 | ページの目的伝達、関連性の強調 |
内部リンク | サイト内回遊促進、クローラー効率向上 |
コンテンツ充実 | ページの評価向上、ユーザー満足度向上 |
デザイン | ユーザビリティ向上、離脱率低下 |
これらの最適化を行うことで、カテゴリページ自体が検索エンジンに評価されやすくなり、そこからリンクされている各記事への評価の受け渡し(リンクジュース)も効率的に行われます。結果として、サイト全体のSEOパフォーマンス向上に繋がります。
適切なディレクトリ構造は、内部リンクの配置を戦略的に行う上で非常に重要です。内部リンクは、サイト内の関連性の高いページ同士を結びつけ、ユーザーと検索エンジンの両方にとってサイト内を巡回しやすくする役割があります。
特に、同じカテゴリやサブディレクトリ内の関連ページ同士を積極的にリンクすることで、そのカテゴリ全体の専門性や関連性を高めることができます。
戦略的な内部リンクは、クローラーの巡回を助け、各ページの評価を関連性の高いページへ分散・集中させる効果が期待できます。適切なディレクトリ構造に基づいた内部リンク設計を心がけましょう。
本記事では、SEOにおけるディレクトリ構造の重要性から、具体的な設計方法、そして関連するSEO対策までを解説しました。適切なディレクトリ構造は、クローラーの巡回効率を高め、サイト内の関連性を明確にし、結果としてサイト全体のSEO評価向上に貢献する可能性があります。
ユーザーにとっても、整理された構造はサイト内での迷いを減らし、目的の情報にたどり着きやすくなるため、ユーザーエクスペリエンスの向上にもつながります。
SEOに強いディレクトリ構造を構築するために、改めて以下のポイントを意識しましょう。
これらの対策に加え、コンテンツクラスタリングやカテゴリページの最適化、戦略的な内部リンク設置も並行して行うことで、ディレクトリ構造の効果を最大化できます。
適切に設計されたディレクトリ構造は、長期的なSEO戦略の基盤となります。ぜひ本記事を参考に、ご自身のサイト構造を見直してみてください。
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