• 2025.06.12

世界39カ国・地域における訪日旅行関連の急上昇検索キーワードと動向調査【2025年春期】

 グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、日本を除く世界39カ国・地域を対象に、2025年2月6日から2025年5月12日までの期間で、訪日旅行に関連した急上昇検索キーワードを調査**しましたので、その結果をお知らせいたします。

 前回の冬期における調査を行った際のリリース(2025年03月25日)はこちらをご覧ください。

* 海外SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要:https://www.auncon.co.jp/service/)
** 各検索キーワードのランキングは、単純な検索数の順位ではなく「Googleトレンド」により集計された、検索の注目度を反映したものとなっています。各国・地域別のランキングは、本リリースの最後をご参照ください。

■調査結果の概要

 今回の各国・地域別の検索キーワードランキングでは、主にゴールデンウィークや、5~6月の各観光地の天気に関するキーワードが多く見られました。
 2025年4月13日から10月13日まで日本で開催されている、「日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」については、直接的な検索は少ないものの、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」や、「大阪の天気」など、周辺の観光地や旅行計画に関するキーワードが多く見られ、大阪・関西地方への観光需要が拡大していることが伺えました。
 加えて、日本のデジタル庁が提供する、入国時の手続きがオンラインで可能となる「Visit Japan Web」が複数の国で検索キーワードランキングにランクインしており、旅行準備における便利な日本のサービスの広がりがうかがえます。さらに、ヨーロッパ諸国では、旅行やレジャー体験などの予約サイト「Klook」への関心が高まっており、旅行におけるデジタルサービス活用の世界的な広がりも明らかになりました。
 これらの結果をより深く分析し、今後のマーケティング施策を検討することで、より幅広い層への効果的なアプローチが可能になると考えられます。

(※)各キーワード(生成AIツール名)が、Google トレンドトップ10にいくつの国・地域でランクインしたのかを示しています。

■日本のゴールデンウィークへの注目

 アジアを中心とした14カ国・地域の検索キーワードランキングで、日本のゴールデンウィークに関するキーワードがランクインしました。
 日本では、記録的な円安が継続しており、訪日旅行者にとって経済的メリットが依然として大きいことに加え、大阪・関西万博といった国際的なイベントをはじめとした、各観光地でのイベントの充実や、各旅行会社や航空会社による訪日外国人向けの割引やキャンペーンなどが注目を集めた要因であると言えます。
 また、関西エアポート株式会社が発表した、2025年4月の国際線旅客数の利用状況(※1)によると、関西国際空港の外国人旅客数が、前年同月と比べて1.26倍の増加、日本人旅客数も1.12倍の増加で、国内外を合わせた旅客数全体としては、対前年同月比1.24倍の約235万人と過去最高を記録しました。

 訪日外国人旅行客数は着実に増加を続けていますが、価格の高騰や人手不足、観光地の過度な混雑による「オーバーツーリズム」など、さまざまな課題が顕在化しています。今後も引き続き、地域社会や事業者、旅行者が相互に連携し、全ての関係者にとって価値のある、持続可能な観光の実現に向けた取り組みがより一層求められます。

■大阪・関西万博と世界に伴う周辺観光地への注目

 2025年の日本における最大の国際イベントとも言える、大阪・関西万博ですが、今回の調査における検索キーワードランキングでは、大阪・関西万博に関するキーワードのランクインはあまりみられませんでした。
 この背景には、検索ワードの分散が考えられ、国や言語によって「expo」「exposition」「万博」など表現が異なるため、今回の調査方法である、Googleトレンドにて「日本」をキーワードとして検索キーワードを抽出する手法(ページ下部「【調査要綱】内の<データ取得条件>」参照)では、大阪・関西万博の検索が急上昇検索キーワードとして集計されにくい傾向が見られました。
 一方、当社が2025年5月16日に公開したコラム「インバウンド目線で読む「大阪・関西万博」:検索インサイト10市場比較」では、世界10ヵ国・地域を対象とした、大阪・関西万博に関連する検索キーワードの調査により、来場準備や現地での消費行動に関するキーワードの増加などが確認され、大阪・関西万博に対する海外からの高い関心が明らかになりました。是非あわせてご覧ください。
 また、今回の調査においては「大阪の天気」、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」など、大阪・関西万博を訪れる旅行者が関連して検索したと考えられる周辺観光地や旅行計画に関するワードが多くランクインしており、大阪・神戸・京都などの関西全体への観光需要が拡大していることがうかがえます。
 今後は、大阪・関西万博を起点とした周辺の観光動向や、SNS上での話題性など、より広い視点での分析も重要であると言えます。

■日本のスマートな入国体験への注目

 「Visit Japan Web」というキーワードが、6カ国(サウジアラビア、アメリカ、カナダ、フランス、ベルギー、エジプト)の検索キーワードランキングでランクインしました。
 Visit Japan Webとは、日本のデジタル庁が提供するウェブサービスであり、日本の入国審査や税関申告といった入国手続きに関する必要情報をオンラインで事前に登録しておくことで、空港到着後のスムーズな手続きが可能になるサービスです。現在は成田国際空港、東京国際空港(通称:羽田空港)、関西国際空港などの主要空港で導入され、旅行者の利便性向上や混雑の緩和、待ち時間の短縮を実現しています。
 さらに、2025年4月より、日本の出入国在留管理庁と財務省税関が共同で運用する「共同キオスク」という、入国審査と税関手続が一度に行える端末サービスが、主要空港で順次導入されました(※2)。利用者はVisit Japan Webで作成した二次元バーコードとパスポートをスキャンすることで、パスポート情報、顔写真、税関申告情報などが同時に提供され、重複する手続きの解消や所要時間の大幅な短縮が可能となっています。

 Visit Japan Webや共同キオスクは、入国および税関手続きをより迅速かつ効率的に行うための新しいサービスとして、SNSや口コミなどを中心に、登録方法や体験談が注目されています。今後は、さらなる利用の拡大への期待や、単なる入国手続きの効率化にとどまらず、日本という国のブランド価値を高めるとともに、企業にとっては、クーポンやキャンペーンと組み合わせたプロモーション施策など、訪日旅行者との新たな接点や収益機会を創出する重要なマーケティング資産になることが期待できます。

■ヨーロッパ諸国で注目されている旅行・レジャー予約サイト「Klook(クルック)」

 「Klook」というキーワードが、ヨーロッパの6カ国(イギリス、フランス、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)の検索キーワードランキングでランクインしました。
 Klookは、2014年に香港で設立されたKlook Travel Technology Limitedが運営するオンライン予約サービスです。旅行やレジャー体験、移動サービスなどを手軽に予約できる点が特徴で、設立当初はアジア太平洋地域を中心に事業を展開していました。
 2018年8月には2億米ドルの大型資金調達の実施により(※3)、ヨーロッパやアメリカへの事業拡大を本格化し、その後、2019年10月にはフランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語にも対応しました。
 新型コロナウイルスによるパンデミックを経て、2023年以降は旅行需要の回復とともにグローバル展開を再加速。ヨーロッパ市場からの訪日旅行需要の高まりに合わせ、多様なアクティビティや交通手段、ツアーの提供を強化しています。こうした積極的なグローバルマーケティング戦略により、Klookはヨーロッパの旅行者にとって日本旅行を計画する際の主要なプラットフォームの一つとなりました。
 また、2024年4月には、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会とKlookが、大阪・関西万博入場券の海外市場における販売促進に関する連携協定書を締結しました(※4)。万博協会が海外向け入場券販売促進のための連携協定を結ぶのはKlookが初の事例となります。この協定に基づいた、体験コンテンツや交通チケットとセットにした商品の提供など、万博に関するKlookのプロモーションが、ヨーロッパで注目を集めている一因と考えられます。
 今後、KlookのようなグローバルOTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)の動向や、旅行者のニーズの変化などに応じた戦略的なアプローチが、日本の観光産業のさらなる発展に重要であると言えます。

 今回の調査では、季節要因に関する関心や消費行動、大型イベント開催時における周辺観光への注目の高さ、そして入国手続きや旅行予約におけるデジタルサービスの活用状況が明らかになりました。今後は、特定のイベントや観光地に直接訴求するだけでなく、周辺地域の観光情報や旅行体験、オンライン手続きの利便性といった多角的な視点を取り入れたマーケティング戦略を展開することで、より幅広い層への効果的なアプローチが期待されます。

(※)【世界39カ国・地域における訪日旅行関連の急上昇検索キーワードランキング】

【調査主旨】
世界39カ国・地域における、訪日旅行関連の春期の検索キーワードと動向調査

【調査要綱】
・対象国・地域: OECD加盟主要国を中心に当社にて抽出した39カ国・地域
・検索キーワード順位データ:Googleトレンド https://trends.google.co.jp/trends/
 <データ取得条件>
  [検索キーワード]:「日本」を各国の公用語で設定
  ※日本に関する検索を行う際に、英語を用いる事がある以下の国については、
   キーワードに「Japan」を設定し調査しております。
   (インドネシア、アラブ首長国連邦、インド、カナダ、サウジアラビア、エジプト)
  [調査対象期間]:2025/02/06~2025/05/12
  [カテゴリ]:旅行
  [取得データ]:「注目」の検索クエリで上位10件を取得(※旅行に著しく関連しないキーワードは除外)
・調査実施期間:2025年5月13日~2025年5月28日
・Googleトレンドの集計に関する詳細:Googleトレンドのデータに関するよくある質問
https://support.google.com/trends/answer/4365533?hl=en

【出典】
(※1) 関西エアポート株式会社 – 関西国際空港・大阪国際空港・神戸空港 2025年4月利用状況 – ニュースリリース(2025年05月26日) , https://www.kansai-airports.co.jp/news/2025/3338/J_250526_TrafficReport_April2025.pdf
(※2) 出入国在留管理庁 – 共同キオスクの運用開始について – プレスリリース(2025年3月25日) , https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/06_00001.html
(※3) PR Newswire掲載のKlook Travel Technology Limitedプレスリリース – Klook Gears Up for Next Round of Global Expansion and Innovation with US$200 Million Series D Funding(2018年8月7日) , https://www.prnewswire.com/news-releases/klook-gears-up-for-next-round-of-global-expansion-and-innovation-with-us200-million-series-d-funding-300692990.html
(※4) PR TIMES掲載のKlook Travel Technology Limitedプレスリリース – 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会とKlook、海外向け入場券販売促進に関する初の連携協定書を締結(2025年4月24日) , https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000142.000029470.html

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