マッキンゼーによると世界のファッション小売売上は、 2024年に2~4%成長する見込みです。高級ファッションの2024年成長率は、3~5%と予測され、コロナ禍後のリバウンド消費が増えた2023年の成長率5~7%からは減速しますが、厳しい経済状況にもかかわらず、高級ファッション分野の売上がファッション市場最大の売上シェアを維持すると予測されています。特に、2023年に需要が回復した中国と欧州は成長が鈍化し、2023年には弱い成長率のままだった米国は、2024年の成長が期待されています。
高級ファッション以外の分野は、2024年成長率は2~4%と見込まれています。欧州市場は、2023年上半期に5%成長しましたが、2023年下半期には1~3%と低迷し、2024年もその傾向が続き、成長率1~3%の見込みです。消費意欲の落ち込みと家計貯蓄額の減少が、消費抑制の大きな要因と考えられます。米国でも2024年成長率は0~2%と予想されています。中国は、2024年成長率4~6%と予想されています。これは、成長率が鈍化した2023年下半期からは若干上昇となりますが、中国の従来の成長率と比べると、低い成長率にとどまっています。
McKinsey のレポートでは、高級ファッションと高級ファッション以外のブランドについて明記されてはいませんでした。レポートの調査対象としたブランドは、調査企業所在国内での標準的な商品価格範囲で、価格帯の低い方から、ディスカウント・中間市場・ブリッジ/プレミアム・手頃な高級品・高級の6つのセグメントに分類されています。2022年の売上ランキングでは、上位7社のうち4社、LVMH 、Hermès 、Cartier などを持つRichemont 、Gucci などを持つ Kering が、マッキンゼーが高級に分類している企業とレポートされています。
【出典元】 ※1 The State of Fashion 2024 report | McKinsey